ホーム > 日本語センター > 朗読コンテスト

朗読コンテスト

この朗読コンテストは、日本語センターが、NHK話しことば通信添削講座「最新朗読」の受講者を対象に、毎年2回行っています。

第63回 朗読コンテスト

 

「第63回朗読コンテスト」の入賞者が決まりました。

今回の課題文は、宮沢 賢治 著「グスコーブドリの伝記 」より「森」。

今回は、優秀賞は8人が選ばれました。優良賞は15人、奨励賞は11人でした 。

第63回 朗読コンテスト結果(五十音順、敬称略)

大賞・銀賞

  • 該当者なし

優秀賞 8名

  • 上野 トミ(新潟県)
  • 蠣﨑 裕子(東京都)
  • 加藤 靜子(愛媛県)
  • 佐々木 照代(青森県)
  • 白石 禮子(愛媛県)
  • 助石 志津子(高知県)
  • 瀨畑 雅惠(広島県)
  • 龍 芳枝(福岡県)

優良賞 15名

  • 岩本 康子(兵庫県)
  • 大岩 知恵子(愛知県)
  • 加持 喜一郎(茨城県)
  • 後藤 弘子(岩手県)
  • 酒井 美智子(愛知県)
  • 坂田 恵美子(和歌山県)
  • 下條 英子(福井県)
  • 白澤 真樹子(北海道)
  • 菅原 理恵(広島県)
  • 鈴木 一夫(愛知県)
  • 鈴木 みどり(愛媛県)
  • 田辺 カツ子(岩手県)
  • 中屋 安子(和歌山県)
  • 林 栄子(北海道)
  • 谷島 みつ恵(茨城県)

奨励賞 11名

  • 赤星 幸子(和歌山県)
  • 伊勢戸 雅子(滋賀県)
  • 岡本 昭子(広島県)
  • 笹川 直子(兵庫県)
  • 正畠 克俊(東京都)
  • 関谷 直美(新潟県)
  • 土屋 由美子(長野県)
  • 中島 亜紀子(東京都)
  • 中西 由美子(和歌山県)
  • 三木 三恵子(兵庫県)
  • 山川 廣一(岡山県)

第63回朗読コンテスト 受賞者の朗読

受賞者の朗読

*写真をクリックすると音声の一部をお聞きになれます 
優秀賞

上野 トミさん(新潟県上越市)

短い表現の中に、音程や速さ、

ことばの持つ感情、意味合いを工夫


蠣﨑 裕子さん(東京都足立区)

作品にある「声」を、体のどこを

使いリアルにするかが今の楽しみ



加藤 靜子さん(愛媛県新居浜市)

優秀賞は夢のまた夢でびっくり、

出だしや文末表現などに苦労


佐々木 照代さん(青森県十和田市)

日本語の母である「母音」でのどを、

開き、息でやわらかくさわやかに



白石 禮子さん(愛媛県新居浜市)

豊かに表現された場面を想像し

楽しく読むことができました


助石 志津子さん(高知県 高知市)

私も自然の中で育ち、森や自然災害

を思い出しブドリのつもりで朗読



瀨畑 雅惠さん(広島県三原市)

童話だと意識しお話しするつもり、

オノマトペで情景が見えるように


龍 芳枝さん(福岡県大牟田市)

朗読が生きがい、朗読に巡りあえ感謝、

頭の中の情景を声で表現する難しさ実感


■ 音声を閉じる
*IE10以上をご使用ください
※「第63回 最新朗読コンテストCD」及び過去の朗読コンテストCD(第43回~62回)をご希望の方は、「NHK放送研修センター」(03-3415-7121)までお電話ください。

選考を終えて

選考委員長 杉澤 陽太郎

今回の課題文、 朗読するには、まず、いつものように、「何」が書かれているかとともに、「どう」書かれているかを、いろいろ、確かめてみることが大事だと思います。

 全体は、32行、
 18のセンテンスで、できています。

 段落は3つ、
 第一段落(1~17行目)ブドリの誕生、子供時代の日々。
 第二段落(18~26行目)ヤマセの襲来。
 第三段落(27~32行目)家族の窮状、飢饉。

 声に出して読み始めみて、まず、気になったのは、文末表現でした。
 全文(18)が、「ました。」「でした。」で組み立てられています。
 「ました。」11
 「でした。」7
 例えば、
「ブドリにはネリといふ妹があって、二人は毎日森で遊びました
 ごしつごしつとお父さんの樹を鋸く音が、やっと聴こえるくらゐな遠くへも行きました
 二人はそこで木苺の実をとって湧水に漬けたり、空を向いてかはるがはる山鳩の啼くまねをしたりしました
 するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥が睡さうに鳴き出すのでした。」

 「ました。」「ました。」で来て、最後に「でした。」で、なにか青空の空気の中に解放されるようです。
 今回の課題文は、その「ました」「でした」が、いろいろに組み立てられいて、文章に快いリズムを生み出しています。そのリズムを朗読で楽しみましょう。

 さて、最初の段落は、この作品の出だしです。
 ブドリとその家族の紹介です。
 この文章は三人称で書かれていますが、 中身は、子供のブドリ自身の眼に見えていること、耳に聞こえていることです。
 遠藤周作が、「グスコーブドリの伝記」を、「子供のリアリズム」で書いた童話だと言っていますが、まさにこの出だしのところは、子供にだけ見えたり聞こえたりしている世界が、躍動しています。
「ごしつごしつとお父さんの樹を鋸く音が、やっと聴こえるくらゐな遠く・・」
 子供たちは、大人が感じている「時間」「空間」を、どう感じ、どう捉えているのか、もう大人の私には、全く想像もつきません。
 子供の頃の記憶を呼び覚まそうとしても、それらしいものは、全く浮かびません。
 この出だしを読んでいて始めて、おぼろに、なにかそんな日があったような映像がぼうと浮かび、山鳩の啼く睡そうな声が聞こえてくるような気がしました。賢治という人の文章の力は怖ろしいものですね。

 「ぽう、ぽう」「ぱさぱさ」「ざあざあざあざあ」のような擬声音が、柔らかく美しく語られることが大事ですね。

 さらに、「カツコウドリ、トホルベカラズ」
ここがどうして片仮名なのか、特に、「トホルベカラズ」の「ホ」をどう声にだしたらいいのか。 興味が尽きないですね。

 さて、こうした活き活きした子供たちの日常が、外から破られることが、しばしば現実に起きます。
 自然災害です。
何の罪もない子供たちを、苦しい、悲しい思いに追い込んでしまう。過去何度もそういうことが日本の各地に起きました。
 特に東北の冷害、私も青春時代のほとんどを東北で過ごし、岩手にも住みました。やませにも悩まされました。
 第二段落、第三段落は、その、ひたひたと迫って来る姿を、静かに語って行きましょう。


第62回 朗読コンテスト結果(五十音順、敬称略)

大賞・銀
  • 該当者なし
優秀賞 8名
  • 蠣﨑 裕子(東京都)
  • 片畑 令子(和歌山県)
  • 串岡 登美江(神奈川県)
  • 瀨畑 雅惠(広島県)
  • 藤守 泰子(岐阜県)
  • 矢澤 陽子(長野県)
  • 龍 芳枝(福岡県)
  • 六本木 正孝(群馬県)
優良賞 18名
  • 岩本 康子(兵庫県)
  • 太田 愛子(福岡県)
  • 奥村 悦美(和歌山県)
  • 片山 南美(和歌山県)
  • 加藤 淑子(愛媛県)
  • 北山 照子(和歌山県)
  • 後藤 美佐枝(宮城県)
  • 坂田 恵美子(和歌山県)
  • 白澤 真樹子(北海道)
  • 菅原 理恵(広島県)
  • 中屋 安子(和歌山県)
  • 林 栄子(北海道)
  • 平田 ひと江(京都府)
  • 福田 邦子(栃木県)
  • 古館 京子(岩手県)
  • 古舘 富子(東京都)
  • 村岡 朗子(北海道)
  • 諸岡 紀子(群馬県)
奨励賞 16名
  • 赤星 幸子(和歌山県)
  • 飯山 憲子(奈良県)
  • 五十嵐 尚美(東京都)
  • 柿元 晶子(大阪府)
  • 久保田 初枝(大阪府)
  • 栗田 三代子(静岡県)
  • 黒川 雅子(北海道)
  • 小板橋 武(栃木県)
  • 古賀 君代(福岡県)
  • 酒井 千壽子(福井県)
  • 笹川 直子(兵庫県)
  • 戸嶋 光子(茨城県)
  • 中村 静子(東京都)
  • 平賀 敬子(静岡県)
  • 山川 廣一(岡山県)
  • 山本 裕子(兵庫県)