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2021年度事業計画

基本方針

一般財団法人NHK放送研修センターは、NHKとともに培ってきた放送のノウハウを生かして、“公共メディア”NHKの職員研修を事業の基本に据え、放送界の人材育成に努めます。「話しことば」の事業にも積極的に取り組み、放送文化の向上と社会の発展に貢献していきます。


NHK放送研修センターは、3か年の経営計画を策定し、経営方針の柱として“収支構造の適正化と、NHK、NHKグループさらに社会の要請に応える事業展開”“NHKの人事制度改革の実現に向けた研修改革の推進”“ICTを活用した新しい研修スタイルの進化”“効率的な業務運営と新しい働き方の探求”を掲げました。
2021年度は、その3か年の経営計画がスタートする年です。
2021年度の最大の問題は、コロナの中での事業継続です。前年度に続いてコロナの感染の拡大・収束の状況を睨みながら、さまざまな事業を展開していくことになります。


一方、東京オリンピック・パラリンピックの開催状況に伴って、NHKの職員研修を中心に研修計画が年度途中に大幅に変更される可能性があり、極めて厳しく流動的な環境の中で、事業計画を実施していきます。
これまでの3か年経営計画では、研修のペーパーレス化や遠隔化など新しい研修スタイルの構築に向けて環境整備を進めましたが、そのことが2020年度急遽研修をオンラインに移行させることにつながりました。
新しい3か年経営計画では、NHKの経営計画も踏まえ、グループ経営をさらに推し進める事業運営に力を入れていきます。事業の中核である研修ではオンラインを軸として、システムや演出方法の安定化・高度化、さらに再構築を図っていきます。また、財務の面では、コロナの影響で悪化した収支を立て直すとともに引き続き収支構造の改善進め、財団の経営基盤を強固なものにしていきます。2021年度は、その道筋をつける年になります。
こうした考えのもと、以下の事業に取り組みます。


研修全般について、オンライン化を推進し、2021年度は特に「安定化」に注力します。また、BCP(事業継続計画)に向け、ITインフラ環境整備の検討をはじめます。
NHK職員研修は、NHKの3か年の経営計画に基づき、△新しい「NHKらしさ」を生み出す、職員一人ひとりの創造性を最大化△新たなワークスタイルの確立とダイバーシティ推進△NHKグループの総合力を強化△コンプライアンス意識の徹底、を柱とした研修体系をつくるとともに、関連団体向けを含めカリキュラムの充実を図ります。
オンライン化の推進と並行して、eラーニングを研修の大きな柱に位置付けます。いつでもどこからでも、関心があるテーマを自ら選んで学ぶことができる環境を作っていきます。


さらに、民間放送局やケーブルテレビ局向けの研修・セミナーや、国際協力機構(JICA)から委託される海外の放送局向け研修等の内容を充実し、広く放送界全体の人材育成に努めます。


NHK放送研修センターは、放送界の人材育成とともに、ことばによるコミュニケーション技術等の一般への普及事業に取り組みます。話しことばで自分の考えが伝わる、相手の考えがわかる、そうした正確で豊かなコミュニケーションの形成に貢献し、社会の基盤を支えます。
話しことばの通信添削、朗読講座や小中高校の先生を対象としたセミナーのほか、教育界、企業・団体等の要請に応えた研修・セミナーを開設します。


日本語センタースクール、ビジネスセミナーなどの対面型講座は、今後も新型コロナウイルスの影響が続くことを前提に、感染防止を徹底しながら安心して受講できる環境を作るとともに講座を充実させます。一方、在宅やリモートの生活に対応した新たな受講スタイルが求められており、通信添削だけでなく、オンライン型の講座・セミナーを開講し、いつでもどこでも学べる選択肢を広げて受講者のニーズに応えます。


こうした社会のニーズにこたえる事業を、持続可能な安定した形で運営していくために、市民・教育関係向けの公益目的支出計画に関わる「ことばセミナー・講座」事業や、企業・団体等に向けた「ことばコミュニケーション」事業について、適正な収支計画をもとに運営していきます。

重点施策

基本方針に基づき、2021年度は以下の重点施策に取り組みます。

  • 計画的な予算執行と収支構造の適正化

  • 研修・セミナーを通じた放送界の人材育成とことばコミュニケーション技術等の一般への普及

  • NHKの人事制度改革を実現するため、職員研修の刷新と関連団体向け研修の充実

  • オンライン研修の推進と安定化、eラーニングの充実強化

  • アンケートの分析を反映したカリキュラムの充実と受講者満足度の向上

  • 内部統制の強化とコンプライアンス意識の徹底

  • 次の時代を見据えたITインフラ環境の研究

事業運営計画

Ⅰ 放送界の人材育成に向けて

1 放送事業者等向け研修

(1)NHK職員向け研修

NHKの経営計画の達成に向けて、以下の項目について重点的に取り組みます。

  • 新しい「NHKらしさ」を生み出す、職員一人ひとりの創造性を最大化

    〇職員の自律的なキャリアアップ・キャリアチェンジを支援

    ・各年代層で定期的にキャリアを見直す研修を実施します

    ・グレード別研修や役割別研修(新デスク・新管理職・新ポスト長等)で各階層に求められるスキルの取得と、次のステージに向けた成長を支援します

    〇協会全体のマネジメント力強化とプロフェッショナルな“人財”の育成

    ・管理職層全体のマネジメント力を強化します

    ・各段階で経営マネジメント“人財”への選抜を意識した研修を実施します

    ・デジタルなど育成が急務となっている分野の研修を開発します

    ・段階的な専門研修を通じ、高度な専門スキルを持つ“人財”を育成します

    〇新人層とシニア層の“人財”育成

    ・職域を越えたキャリア開発を意識して新人層を育成します

    ・シニア層の活躍や新たな分野への挑戦を支援するリカレント教育を実施します

  • 新たなワークスタイルの確立とダイバーシティ推進

    ・新人層から経営層に至る各階層での研修を通じて、新たなワークスタイルの確立とダイバーシティ推進に向けた意識改革・組織風土作りを進めます

  • NHKグループの総合力を強化

    ・NHKグループの共通の研修を通じて、グループの一体感を醸成します

    ・グループを牽引する“人財”の育成に取り組み、グループ全体の総合力を強化します

  • コンプライアンス意識の徹底

    ・「公共メディア・NHK」の職員として必要不可欠な倫理教育を徹底します

NHK職員研修 ※eラーニング等を除く。( )内は2020年度

研修数

112研修(109研修)

のべ日数

347日(371日)

回 数

143回(154回)

新型コロナウイルスの感染状況や東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う影響で、研修の実施時期や回数などが変動する可能性がありますが、オンライン研修を中心に実施していくことになります。
eラーニングは、2020年度動画を取り入れた新しいシステムに切り替えました。2021年度は、eラーニングの役割が大きく変わります。
研修のオンライン化によって、動画視聴による講義が増えるため、研修で活用した動画講義やeラーニングのコンテンツのライブラリー化を積極的に進めます。また、ライブラリーのコンテンツを充実させ、自分が関心のあるテーマを選んで自発的に学べる機会を増やしていきます。

(2)NHK関連団体向け研修

関連団体向けの研修は、新採用者や新管理職など階層別の研修を通して、NHKグループ全体の総合力の強化とともに、グループ意識の醸成、コンプライアンス意識の向上を図ります。
階層別研修は、通常8件実施していますが、2020年度は新型コロナウイルスの感染状況や東京オリンピック・パラリンピックの日程変更の影響で3件の開催にとどまりました。
2021年度も同じ状況が続くため、関連団体の要望を聞きながら、2020年度と同規模の実施を目指します。
また、番組制作や技術などの分野を中心に専門知識やスキルを向上させる研修を用意するほか、関連団体の全社員・職員を対象に「コンプライアンスeラーニング」を実施します。
さらに、引き続き関連団体からの個別の依頼に応じた研修も受託し実施します。

(3)民間放送局向け研修

民間放送局向けに、番組制作や技術関係の知識・技能習得を目的に毎年実習やグループ討議を伴ったさまざまな研修を開いています。しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降、多くの研修を中止しました。
2021年度は、日本民間放送連盟(民放連)と協議しながら、オンラインでの実施を基本に、新しい研修方法、カリキュラムを開発します。
そのひとつが、NHKと民放連の共催で、2003年から実施している「放送人基礎研修」です(2020年度は中止)。入社3年目までの若手社員が組織や職種を越えて放送倫理を学ぶ研修で、民放各社、NHKの報道や番組の取材・制作者、BPOの責任者による講義に加え、報道によって被害を受けた人の話を聞き、報道の使命や役割、そして真実に迫ることの意味について考えます。
もうひとつが技術関係の研修「テレビ技術研修会」です。民放連からの委託を受け、若手技術者を対象にした研修で1957年から60年以上にわたって続いています(2020年3月は中止)。放送技術の基礎およびデジタル応用技術の習得を目的としており、研修方法がオンラインに変わっても高い研修効果を目指します。
「テレビ技術基礎セミナー」は、2020年度オンラインで実施し、一定の評価が得られたため、継続します。2021年度は、入門と初級の2回の実施を検討します。
このほか、オンラインとの親和性が高いノンリニア編集技術セミナーやファイルベース技術セミナーなどの開催も検討していきます。

(4)ケーブルテレビ局向け研修

2011年の東日本大震災を契機に、ケーブルテレビが緊急時や災害時に行政からの防災や生活支援などの情報、独自の生活情報を伝えるケースが増えています。地域におけるケーブルテレビの役割が格段に高まっているなかで、日本ケーブルテレビ連盟、日本CATV技術協会と連携して、各種専門の研修を実施します。
ケーブルテレビ局向けの専門研修は、実習を伴い集合の形で行っているため、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2020年度は多くの研修を中止しました。
ここ数年かつてない規模の風水害が全国各地で発生しているなかで、災害時の対応を学ぶ「ケーブルテレビの緊急災害放送」は、研修の形をオンラインに変更し、2021年度も実施します。
番組制作に関連した研修では、「一人5役」を計画しています。番組の企画・撮影から編集・原稿までのいくつもの役割をひとつの研修で学ぶものです。実習形式で行いますが、人数を絞り、実習での人と人との接触機会を減らすなど感染防止策を取りながら、実施します。
技術関係の研修では、番組制作が急増している4Kについて、4Kの特性を最大限に発揮するための制作手法を学ぶ「4K制作技術基礎セミナー」「カラーグレーディング研修」を計画しています。いずれもオンラインで開催します。
また、アナウンス関連の研修では「アナウンス実力向上研修(基礎・応用)」「ナレーション・インタビュー」などを春と秋の年2回実施します。
さらに、NHKや日本ケーブルテレビ連盟の地方支部、各県のケーブルテレビ協議会と連携し、番組制作や災害時の放送対応について知識やスキルを学ぶ「NHKケーブルテレビ総合セミナー」を実施します。オンラインでの対応を含め6か所程度で開催する計画です。

(5)海外放送局向け研修

途上国の放送局向けに実施している研修は、国際協力機構(JICA)の委託を受けたもので、NHKが行っていた時代を含めて60年の歴史があります。
2020年度は「地上デジタルテレビ放送政策・技術」と「デジタル放送の番組制作」の2つの研修を各国のJICA事務所とオンラインで結んで実施しました。
海外を結んだオンライン研修は初めての試みで、多くの課題、問題を解決しながら、準備・運営にあたりました。「放送政策・技術」研修では、参加各国に時差があったため、中米向けには日本時間の朝、アジア・アフリカ向けには日本時間の夕方と、一日の中で時間帯を分けて研修を実施しました。また、事前に学習してもらうために一部の講義や実習は動画に収録し、英語の音声をかぶせたうえで各国のJICA事務所に送付しました。オンライン研修では、事前学習の内容の補足や、質疑応答、討議などの工夫を行い、効果的、効率的に実施しました。一部の国では通信環境が整ってないため、受講環境の改善が今後の課題となりました。
2021年度も同じように2つの研修を行う計画です。「地上デジタルテレビ放送政策・技術」研修では、各国で放送のデジタル化計画に携わる放送行政や放送局の技術者および幹部を対象とします。研修では、日本のアナログ停波のプロセスからデジタル放送の概要とサービスの特徴、デジタル技術理論などの講義を通じてデジタル放送技術への対応力向上を図ります。
「デジタル放送の番組制作」研修では、各国放送局のディレクター、プロデューサーを対象に、デジタル技術を使った番組制作法を学びます。また、データ放送やインターネットを活用した双方向番組についても理解を深めてもらい、各国の放送で実用化を目指します。

2 放送関連事業者等向け研修

(1)制作プロダクション向け研修

全国放送派遣協会に加盟する制作プロダクション向けに、新人層を対象にした研修を計画します。放送の世界で働くうえでの基礎的な知識や技能を学ぶ研修で、番組制作、技術の2つのコースのうち、「TV制作基礎コース(技術)研修」は実施を予定しています。
「TV制作基礎コース(演出)研修」は、新型コロナウイルスの感染状況などを見ながら、開催するかどうかの判断をします。

(2)放送・制作現場の業務支援者向け研修

NHKの各放送局では、地域番組や企画ニュースの制作に多くのスタッフが関わっています。こうした放送現場を支えるスタッフを対象に、毎年「基礎」「スキルアップ」の二つの研修を実施してきました。いずれも実習を伴い集合した形での研修になるため、新型コロナウイルスの感染拡大が収まれば、実施を検討します。

3 放送界を志す若い人達に向けて

放送やジャーナリズムに関心がある大学生を対象にインターンシップを実施します。「コンテンツクリエイターコース」「ジャーナリストコース」「メディアエンジニアコース」「メディアマネジメントコース」の4つのコースに分けて行い、多岐にわたる放送関連業務への理解を深めてもらいます。

Ⅱ ことばコミュニケーション技術等の一般への普及に向けて

放送で培った「ことば」のノウハウを広く社会に還元することを目的にさまざまな研修やセミナーを実施します。話しことばで自分の考えが伝わる、相手の考えがわかる、そうした正確で豊かなコミュニケーションの形成に貢献し、社会の基盤を支えます。
対面型の講座・セミナーは、今後も新型コロナウイルスの影響が続くことを前提に、感染防止を徹底しながら安心して受講できる環境をつくり、講座を充実させます。一方、在宅やリモートの生活に対応した新たな受講スタイルが求められており、通信添削だけでなく、オンライン型の講座・セミナーを開講し、いつでもどこでも学べる選択肢を広げて受講者のニーズに応えます。
こうした社会のニーズに応える事業を、持続可能な安定した形で運営していくために、市民・教育関係向けの公益目的支出計画に関わる「ことばセミナー・講座」事業や、企業・団体等に向けた「ことばコミュニケーション」事業について、適正な収支計画をもとに運営していきます。活動の柱は、以下の5つです。

1 ことばセミナー・講座等の開設

(1)日本語センタースクール

アナウンサーを目指す学生を中心にトレーニングする「最新アナウンスカレッジ」、朗読やナレーションの技能向上を目指す「朗読・ナレーション」、人前で話す力を向上させる「話しことば専科」のほか、司会、共通語、面接対策などの季節コース・短期コースを、世田谷・渋谷・新橋の各教室で開設し、受講者の多様な要望に応えます。
2021年度は、既存の講座の充実に努めるとともに、オンラインでも受講できる新規講座を開始し、全国を視野に新たな受講者層を開拓していきます。

(2)NHK話しことば通信添削講座

インターネットなどを利用して、全国どこにいても受講できる「話しことば通信添削講座」は、「朗読」と「話しことば」を中心に1985年からこれまで延べ12万3千人余りが学んでいます。2020年度は、コロナ禍の中、対面せずに、「いつでも どこでも」学ぶことができる講座として見直され、新規受講者が増えました。
2021年度は、「プロと学ぶアナウンス」を廃止し、「話し系の上級コース」を一本化します。講座数を8講座に絞り、新しい生活様式に対応したリモート研修として講座の内容を充実させます。就職活動に取り組む学生から、ビジネスパーソン、生涯学習に取り組む人たちなど全国の幅広い層に「ことばコミュニケーション」のノウハウを伝えていきます。

(3)朗読事業

「全国巡回朗読セミナー」などを通して、朗読を学ぶ人たち、朗読や音訳のボランティアに携わる人たちに、日本語センターの朗読技術を直接指導します。受講者は年々増え続けこれまで最大で2200人を超えました。
2021年度も、中核都市において、数日連続で開催するなど、集中開催し効率化を図るとともに、地域のニーズをきめ細かく聞きながら、全国の受講者の期待に応えていきます。また、オンライン講座の開発にも取り組み、新たな受講者層の開拓を図ります。
2004年度から、「せたがや文化財団」との共催で、朗読講座「豊かなことばの世界」を三軒茶屋の会場で開始し、2014年度からは川崎市との共催で、新百合ヶ丘でも教室を開催しています。引き続き朗読を通して、地域に密着した活動も続けていきます。

(4)先生のためのことばセミナー

2020年度の小学校から実施が始まった新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を実現させる一環として、すべての教科や学校生活全般において、児童・生徒の言語能力の確実な育成と言語環境の整備を求めています。「先生のことば力」を通した教育現場での言語活動を支援するために、2021年度も、夏休みと冬休みの期間中、先生を対象にした実践的な研修を行います。
また、全国の学校や教育委員会、各種研究会などに講師が出向く「出張・先生セミナー」も実施します。

(5)ビジネス界を対象にしたセミナー

2021年度は、従来の講座に加え、オンラインによる講座を新設します。ネット環境とパソコンがあれば、どこからでも学べ、これまで以上に幅広い方々を対象に受講機会を増やします。ご好評を頂いている対面型のセミナーも感染防止対策を徹底し、開講します。ビジネスに欠かせない説明や報告の力が身につく「あすから役立つビジネストーク」、映像を使った説明力の向上を目指す「プレゼンテーション【基礎コース】」「プレゼンテーション【実践コース】」、研修担当者を対象にわかりやすく効果的な指導方法が身につく「1日で学ぶ、研修講師力」、相手の話を聞き取る力をみがく「1日で学ぶ、傾聴力・質問力」など、どのコースも実践を重視し、一人ひとりにきめ細かく指導します。

(6)放送支援のためのセミナー

NHKの各放送局のキャスター・リポーター向けに、NHKの出演者に必要とされるスキルと知識、生放送の危機管理、コンプライアンスに関するセミナーを実施します。
このほか、道路交通情報センターの指導層を対象に、わかりやすく情報を伝える技術の指導法に関する講座を開催します。

2 教育現場を対象としたことばコミュニケーション事業

大学などで「ことばコミュニケーション」の通年授業や集中講義を実施します。社会に出る前に、わかりやすいプレゼンテーションや敬語、豊かな表現を身につけ、ことばの大切さを再認識させたいという教育機関の要請に応えます。

3 企業・団体向けことばコミュニケーション研修

企業・団体からの要請に応えて、新入社員から幹部クラスまで、長年培ってきたノウハウを生かしたことばコミュニケーション研修を実施します。ビジネスの現場で強く求められているプレゼンテーションやコミュニケーションの力を向上させる研修など、今の時代に合わせ、各業種、各企業にカスタマイズした研修を行います。

4 放送番組のアナウンス等業務

(1)放送番組におけるアナウンス業務

放送を通じて、わかりやすく的確で豊かな「話しことば」の社会への普及を目指し、NHKのテレビ、ラジオのアナウンス業務を受託します。
受託番組は朗読のスキルを生かした「ラジオ文芸館」、ことばコミュニケーションについて学ぶラジオ番組「ことば力アップ」などを中心に、アナウンサーとして蓄積した技術を生かします。

(2)人にやさしい放送

字幕放送と解説放送を引き続き担当し「人にやさしい放送」に寄与します。日本語センターが担当する字幕放送は、実況アナウンサーや解説者、スタジオ番組の司会者や出演者が話した内容を瞬時に「リスピーク」し、その内容をテレビ画面に字幕として表示するもので、大相撲などスポーツ実況を中心に対応しています。耳の不自由な人たちだけでなく、高齢者からも好評を得ています。
解説放送では、目の不自由な方がテレビを楽しめるよう画面に映っているものを副音声で解説します。

5 外部からの要請に応えた支援・協力

各地の社会福祉協議会や朗読ボランティアが主催する研修会で、発声や読み方の指導を行います。
2021年度も、外部からの要請に応え、日本語センターの持つ音声表現の経験、知識を社会に役立てていきます。

Ⅲ デジタル技術を活用した業務体制の推進と設備整備

オンラインによる研修効果を高めるため、運用環境の整備を進めます。研修の技術や運営のノウハウの共有や標準化を推進し、より効率的な業務運営を目指します。また、台風などの自然災害やコロナ禍などで出勤不可の状態になった場合でも、事業が継続できるように、クラウド基幹システムなどの新たな技術の活用を研究し、多様な働き方の視点も含め、デジタル技術を活用した業務体制の改革を目指します。

1 IT環境の整備

オンライン研修や効率的な業務を推進するため、IT環境整備によるネットワークシステムの安定運用や情報漏洩対策などのセキュリティの強化に一層取り組みます。
情報セキュリティに関する規定やルールを随時見直すとともに、セキュリティの重要性とルールの遵守について、引き続き組織全体に浸透させます。
また、2023年度までに更新時期を迎えるサーバー群のあり方について、研修スタイル進化の方向性や多様化する働き方に対応したものに整備していきます。
具体的には、現在研修情報や顧客管理、経理などのデータが個別のシステムで管理され、それぞれの連携がとれていないため、クラウド型基幹システムを導入することで、これらのシステムを統一して効率的に管理できないか、調査・研究を進めます。

<主な取り組み>

分 類

計 画 内 容

業務改革

サーバー更新に向けた調査・コンサル

IT機器の運用

PC管理要員の増強

機器更新

業務用PCの年次更新
~モバイル用PCへの変更~

2 設備整備計画

デジタル放送技術の動向に対応して、実習設備の老朽更新など、以下の設備整備を行います。また、“ICTを活用した新しい研修スタイルの進化”の経営方針に沿って、オンライン研修を推進する設備の充実を図ります。

分 類

計 画 内 容

オンライン研修関連設備

・オンライン研修用汎用機材設備
・リモート会議用などスピーカーフォンの整備 等

制作関連設備

・114実習室音漏れ対策改修

送受信技術関連設備

・124実習室の映像モニター更新
・オンライン研修用LAN整備

その他

・ワイヤレスマイクシステムの更新(第2期)
・研修用ビデオカメラの更新整備 等

Ⅳ 適正な業務運営の推進

1 内部統制の強化

役職員の行動規範として定めた「放送研修センター行動指針」を遵守し、励行します。
リスクマネジメントを推進するため、「リスクマネジメント規程」に基づき、理事長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」が中心となって、財団業務の円滑な運営を確保する体制をとります。
また、コンプライアンスを徹底するため、「コンプライアンス規程」「コンプライアンス通報制度規程」に沿って業務を行うとともに、財団内外に設置した通報窓口について、転入者研修時やスタッフ契約更新時に周知を図ります。 さらに、年間を通じてコンプライアンス関連の研修・勉強会を実施し、役職員のコンプライアンス意識の向上に努めます。
こうした取り組みに加え、法令の改正等にあわせた財団の諸規程の見直しや適正経理の推進、情報セキュリティの強化など、内部統制の充実・強化につながる施策を実施します。

2 内部監査室の活動

内部監査室は、財団の諸活動が、法令、財団諸規程および経営の基本方針に即して、適正かつ効果的・効率的に実施されているか、客観的に評価・検討するとともに、その結果に基づく情報の提供、提案等を通じて、財団の使命達成および業務運営の改善に資することを目的としています。2021年度も年度監査計画を策定して実施するとともに、必要に応じて不定期監査を行います。

3 財団の働き方改革と効率的な業務運営の推進

「NHKグループ 働き方改革宣言」のもと、新しい働き方を組織風土とするよう、働き方改革推進委員会が中心となり財団の働き方改革を進めます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う在宅勤務の一層の推進など、社会情勢に迅速に対応した効率的で新しい働き方の環境整備を積極的に行っていきます。

組織・要員計画

当財団の要員計画は、次のとおりです。

年 度

2019年度

2020年度

2021年度

要員数(役員を除く)

70人

69人

68人

(注)2019年度は年度末、2020年度は年度末見込み、2021年度は計画値